初雪で感じるものが変わる頃に

何かに触発され、初めてエッセイを書きたくなりました。

これを書いたことに深い意味はないです。

 

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 自分の中でようやく秋らしく思えるようになってきた11月の初旬、久しぶりにどうしようもない寂しさに襲われた。普段ならどうにかその寂しさに耐えて、耐え切った後でその寂しさが自分にとってどういうものだったのかを振り返るくらいには、簡単に会える友人は多くないし、積極的に人にも会おうとしていない。そんな自分が珍しく人に会う気になり、半年程に一度会う友人に連絡をした。

 

 その友人とは、小学3年生で出会ってから何だかんだ付き合いが続いており、気づけば出会ってからとうに10年が過ぎていた。そんな彼と最後に会ったのは今年3月の雪が溶け始めた頃だったと思う。今年の雪解けは温暖化以上に早いと感じたのを覚えている。当時僕は働き始めて1年が経とうとしていたけど、彼は希望の仕事に就けず、バイトをしながら次のチャンスに備えていた。きっと今もまだ希望の仕事を目指して勉強を続けている、もしくは試験が終わってひと段落ついた頃だろうと思って、「今日暇?」といつもの唐突さと温度感でメッセージを送った。

 すぐに返事が返ってこないことも、返ってくる内容も大体予想できたつもりだった。メッセージを送ったおよそ2時間後、「俺仕事就いて研修中だから当分遊べないんだよね笑」と返ってきた。予想外の内容だった。きっと文末の「笑」には、彼にとっても予想外だったという意味も含まれている気がした。

 

 そのやり取りをした日の深夜、日付が変わってから人気の静まった住宅街を部屋の窓越しに眺めると、天気予報士の言うとおり今年の初雪が降っている。

 世間が言うには、20代半ばに差し掛かっている僕の年齢はまだ若いと言うらしい。それでも、今年の初雪に今までと違うものを感じたのは、それだけの時間が確かに経ったからかもしれない。